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委員会

第5回 関西のインフラ強化を進める会 開催日:H30.7.31(火) 開催場所:大阪キャッスルホテル

議事
1. 基調説明
「クルーズ産業の形成に向けて」
田中 三郎 氏
((一財)みなと総合研究財団 クルーズ総合研究所 総括リーダー)
2. 意見交換
3. その他
・関西の明日を創造するために ~将来へ向けてのプロジェクト~
・開催実績と今後の予定

関西の明日を創造するために ~将来へ向けてのプロジェクト~講演資料(2.44MB)

寺尾 敏男 氏(建設コンサルタンツ協会近畿支部 道路研究委員会委員長)

はじめに

「関西の明日を創造するために」というテーマで説明します、建設コンサルタンツ協会近畿支部道路研究委員会委員長、寺尾です。よろしくお願いします。

今回の内容は、2016年に発表した提言と、2018年度(本年度)の取り組みという2部構成になっています。提言については、一度説明していますので今回は割愛します。

それでは、2018年度の取り組みの中間報告を説明します。

検討項目は、関西南北軸強化、強化を図るための道路網整備、そして、将来の交通網整備を見据えた道路施策の展開、京阪神地域におけるまちづくりと都市部の交通結節点の強化、そして関西都市圏のトライアングルネットワーク構想、特に関西3空港の連携強化についてです。

1. 関西南北軸強化

まず、関西南北軸強化についてです。近畿地域の北部、南部の圏域を強化し、魅力ある圏域を形成する必要があります。そのためには、近畿の南北地域を連結するインフラ整備が必要であるので、京阪神地域を中心として整備をしていく。その路線として、南北軸では、京都縦貫道路の4車線化の整備や、既に計画され、整備もされています五條新宮道路の早期整備が必要と考えて提案しています。

2. 関西南北軸強化を図る道路網整備

関西南北軸強化を図る道路網整備では、地域間の連携あるいは交流を図るために、地域高規格道路網の形成が不可欠だと考えています。

既に地域内には幾つかの道路網がありますが、さらに西から但馬地方との連携のため、東播丹波連絡道路の整備、また、若狭地方との連携のため、京都小浜道路の整備は北陸新幹線に沿った位置に考えています。琵琶湖の西海岸には琵琶湖西縦貫自動車道を整備し、そして東西軸となる南海経済軸と、西日本国土軸を結ぶための道路を整備した国土軸間の連携強化も提案しています。

また、紀伊半島南部と南海経済軸との連携を図る五條新宮道路や、橋本から高野山、龍神スカイラインの早期整備を提案しています。

3. 「将来の交通網整備」を見据えた道路施策の展開

次は、将来の道路網整備を見据えた道路施策の展開です。

2023年には北陸新幹線が敦賀まで開通し、2024年には新名神高速道路が全線開通、2025年には大阪万博が予定されています。2037年には中央リニアが全通し、さらに2046年に北陸新幹線が新大阪まで開通します。こういった交通網の整備による環境変化が非常に大きい近畿の北東部は、これらの環境変化を先取りする施策として、インフラコンテンツの強化を提案しています。

1つ目の道路を通じた魅力発信には、「道路空間の再配分」、「シーニックバイウェイ」、「歴史景観との接続」の3点。2つ目は交通モード間の連携とし、「鉄道、高速道路、船舶等の結節点の強化」あるいは「LRT、BRTと交通モードの強化」。3つ目はICTを活用した道路の整備として自動運転や隊列走行です。

次に、具体的な施策展開を考えると、近畿北東部には京都縦貫道があり、北側に舞鶴若狭道、そして東側に北陸道及び名神高速道路があり図のように周遊しています。 そして、インフラコンテンツとしては、舞鶴若狭道や京都縦貫道での自動走行試験、あるいは鯖街道シーニックバイウェイや敦賀港の近辺にLRT、BRTが考えられます。

具体的な事例として、琵琶湖横断航路の充実による湖西地方と湖東地方の交流促進。

今津港と長浜港、あるいは今津港と彦根港の航路整備を行い、湖上交通を整備します。

最終的には、この航路を生かした観光ルートを整備し、広くは若狭湾(小浜港)から米原貨物ターミナルを結ぶネットワークを整備します。その効果として、移動時間の短縮や観光収入が期待できます。

また、湖上ルートを使うことで、現状の高速道路ルートの代替にもなり、災害時の避難ルートとしても期待できると考えられます。

4. 京阪神地域(都市部)の交通結節点の強化

次に、京阪神地域、都市部の交通結節点の強化を説明します。

現在、新大阪から天王寺までの約9.6キロに4カ所の拠点があります。それぞれバスターミナルの数は、1カ所、8カ所、6カ所、5カ所となっており、今後バスターミナルを再整備する必要がありますが、今回はこの中で、一番ターミナルの箇所数が多い梅田周辺について提案します。

梅田周辺のバスターミナルは、現在8カ所が拡散し、非常に乗り換えがしづらいという声を聞きます。そこでJR大阪駅を中心に、半径500mの範囲にある8箇所を統一したバスターミナルを整備し、同時に大阪駅周辺の交通混雑の緩和を図るという提案です。規模は新宿バスターミナルと同じくらいと考えています。候補地として、1つは北ヤード付近、もう1つはJR東西線の北新地駅・大阪駅前ビル付近の国道2号線沿いに、立体道路制度を用いて整備する方向で検討を進めているところです。

5. 関西都市圏トライアングルネットワーク構想

次に、関西都市圏トライアングルネットワーク構想について説明します。

大きく3つあり、一番外側のトライアングルは京都、和歌山、橋本です。これは四国・中部地方への接続を見据えた関西大環状を形成するものです。その中央にあるのは、京都、大阪、奈良のトライアングルで、関西都市圏の都市機能の強化を図るものです。

最後に提案するのは伊丹空港、神戸空港、関西空港の関西3空港の連携強化です。

関西の3空港の一体運用について説明します。

関西、伊丹、神戸空港を高速ネットワークで結び1つの空港として利用することで、仁川国際空港やチャンギ国際空港に匹敵する空港に生まれ変わります。表にあるように、滑走路は合わせれば5本、ターミナルについても4カ所。また、現在の発着回数は3空港合わせて年間35万回になります。仁川国際空港は36万回、チャンギ国際空港は37万回です。また利用客数は、3空港で4,700万人、仁川国際空港、チャンギ国際空港では6,200万人と、両空港と比較して少ないのですが、3空港を一体運用することにより、同じような規模、あるいはそれ以上の規模になるものと考えています。

次に、3空港一体化によるハブ空港機能の強化により、3空港の乗り継ぎが20分以内でできるように、今までの交通機関を使うのではなく、3空港を高速ネットワークで、トンネル内を鉄道で結ぶという提案です。 これによって関西圏を、関空から60分圏内に縮めることができ、さらに新たに新尼崎駅あるいは夢洲に新しい都市拠点ができるものと考えています。

以上、今年度検討している内容について報告させていただきました。

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